こんなに楽な自転車、初めて。


もともと乗っていた自転車はこちら、こちら。
GIANT TCR ADVANCED 1 SE 2019


真っ直ぐなカーボンチューブで組まれたスローピングフレーム。
紐シフト。
リムブレーッキ。
ホイールはアルミの最高峰(あえて無印)。
特別なことは何もしていない。
枯れた、完全に信頼できるテクノロジー。
メーカーは全国に直営店を展開するGIANT。
この自転車は、とにかく壊れない。
頑丈で、何があろうと私を目的地まで運んでくれた。
霙が降ろうが、凍結した山岳だろうが、携帯の電波を失った山岳で遭難して獣道で天を仰ごうが、前輪を大破しようが、他の自転車に後ろから突っ込まれようが。
万が一のとき、全てのパーツが標準的で、換えがすぐに見つかるというありがたさを身にしみて教えてくれた。
壊れにくいばかりではなく、壊れたあとのリカバリーに優れる。
GIANTの直営店があるので、ディレイラーハンガーなどのスモールパーツも店頭在庫で手に入る(取り寄せ2週間待ちなんてない)。
スパルタンな乗り心地以外、全く不満はなかったのですが、走行距離が5万kmに近付いて、いよいよあちこちが悲鳴をあげだしました。
何しろパワメ付きアルテグラ組で万円28という、びっくり価格の自転車。
OHをすると、新車価格に迫るでしょう。
私は夏に北海道1300を予定していましたので、いよいよ新車購入を決意しました。
新車のスペックはすでに決めておりました。
・アルテグラDi2 12速
・油圧ディスクブレーキ
・カーボンディープリム
今後はこれがスタンダードになることはわかっておりました。
完走率を最大にするためにも、考えうる最もスタンダードな機材を選択するつもりでした。
電動シフトはすでに運用のノウハウが電動の欠点に勝り、最早紐シフトのトラブルに付き合うほうが手間であるという認識です。
カーボンホイールはリムブレーキ運用時は全く使う気にはなりませんでした。
やはりリムブレーキとの相性はどこまで行っても良くはならず、とくにロングライドにおいては気を使い、リスクに肝を冷やしながら走るものだと考えております。
しかし、ディスクブレーキでしたら話は180度別、カーボンホイール肯定です。
ブレーキシステムの重量はかさみますが、リム外周の軽さが損なわれるわけではありません。
登りではやっぱり軽いです。
乗り心地も金属に比べてよろしい(ホイールの方向性によって性格は異なるでしょうが)。
12速は、良い悪いは別にして、コンポーネントメーカー間の突っ張り合いに由来する、避け得ない流れだと認識しております。
今後サードパーティを含む主力商品は12速に対して互換性を保証してくるでしょうから、その流れに乗っていきたい。
私はSR600を走るためにリヤコグを11-25tから11-30tに替えていました。
私はクロースレシオが好きですので、ワイド化したリヤコグでギヤが1枚増えるのは嬉しい。
そう、私はアルテグラ速を12待っておりました。
通常のモデルチェンジサイクルならば、2020年頃にデュラエース、2021年頃にアルテグラという段取りです。
しかしコロナウィルスの影響で、まずデュラエースが全く姿を表さず、最終的にパーツの値上がりと、モデルチェンジしたデュラエースとアルテグラの供給が遅れるという通達のみがあったわけです。
さて、ここでGIANT TCR ADVANCED PRO 0 DISC 2021の価格を見てみましょう。
¥682,000(税込)
・アルテグラDi2 11速
・油圧ディスクブレーキ
・カーボンディープリム
・パワーメーター
このお品書きで税込み70万円切っているっておかしい。
値上げされたコンポで計算された次の(2022)モデルはおそらく75万円になる。
もう一つ、私の判断に大きくう影響をした画像がこちら。
パワーメーター下、クランクセットのイラスト。
シマノクランクの横にあるのは、ひょっとしてSRAM?
シマノパーツの供給不安を考えれば、GIANTがSRAMに切り替えたシナリオは容易に予想できた。
私はシマノのシステムが好きなので、アルテグラ組を購入したい。
私は2021年モデルの購入を決意し、GIANTストアに向かった。
「みじぴんさん。運が良かったですね。」
「はい?」
「日本で最後の1台。店頭在庫を確保できました。ただ、展示品ですので、多少の傷は覚g…」
「全然構いません。どうせ2ヶ月で傷だらけになります。」
あっぶな。
ちょっと判断が遅れていたら、買い逃していたワイ。
で、この自転車に乗っての感想ですが。
「こんなにらくして良いんだ。ダメ人間になりそう。」
乗り心地が良い。
より少ないパワーで速度を維持できる。
登りが楽。
平地も楽。
向かい風も楽。
シフトも楽。
ブレーキも楽。
楽してもきっちりグロスは稼げるので、精神的にも楽。
時速50km/h以上で戦うならば、トップグレードのスパルタンなTCRでしょう。
でも、せいぜい35km/hで巡航できていれば満足である場合。
このTCRはベストです。
加速の鋭さや、40km/h超の戦闘力は、先代の28万円TCRの方が尖ってました。
性格的にトップグレードよりだったと思います。
モデルチェンジして、だいぶ人間が丸くなって、人に優しくなりました。
ブルベ向きだし、旅向きだし、歳を取ってから乗りたいバイクです。
不満はホイールで、対応しているタイヤが少ない。
クリンチャーホイールに買い替えたいのですが、完成車についてくるSLR1ホイールとフレームの相性が良くって、他のホイールに交換すると、バランスが壊れそうで、まだ買ってません。
新しいTCRでいきなり600kmのブルベに出ましたが、非常に快適に完走できました。
雨宿り+コインランドリー+仮眠と安全側に振り切っても3番時計で走り終えていました。
以上です。
これからも、このダメ人間製造機で、うっかりちゃっかり旅を楽しみたいと思います。